03  フィルド共和国  首都リノー上空

 例の鷲のエンブレムのRev-53Dの部隊が多数の有人機を引き連れてリノーの空に入った。
 ルージア、連合の機体が入り乱れ、空を覆った。ルージアの無人機の姿も消えていき、人と人の戦いが始まる。
 アランとウィリーのエルーフェ隊、コストナーのジェラール隊を中心とした連合軍は更なる敵と対峙する。爆音が再び激しさを増し、両軍の機体が次々と火を噴いては墜ちていった。

 ――強い。

 ラウス中佐は、はっきりとそう感じていた。今回も敵の中心になっている例のメサリナの空母の部隊は、数機の新型を主軸に友軍を撃破していった。
 高度なステルス性を発揮し、捉えづらく、F/A-47以上の機動性能で味方を翻弄していく。

 ――こいつらは、自分達の相手だ。

 ラウス中佐のグラージュ隊はルージア空軍最強の技量を見せ、それに互角に戦う。
 両軍ともに主力に決定的な打撃が与えられず、ただ同じように消耗していった。
 空で人同士がぶつかり、技量に劣る者は墜ちていく。その状況が空を支配し、ただそれがずっと繰り返された。

 そして、その状況はやがて一変する。人ではないもの――機械たちによって。



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