06  グランツ海上空

 グランツ海上空では、もう戦闘が始まっていた。だが、奇妙な事に敵のUCAV部隊は同じく敵の有人機部隊と戦闘を繰り広げていた。
 どうやらルージア側もあの無人機部隊の行方は想定外の事であったらしい。
 とまどい、戦闘をうかがっていると突然機械音のカウントダウンが続く全周波の通信に人の声が割って入った。
 「こちらルージア空軍、ウォルカー・ラウス中佐。暴走した無人機部隊と交戦中。繰り返す……」

 ――暴走!?

 通信によると、じきにイニア島の西端を射程に捉える敵編隊の中心のLBX-01と呼ばれる無人機型の超大型爆撃機は核も搭載しているという。
 罠、欺瞞、妨害工作。様々なそんな可能性が脳裏によぎったが、核という単語を聞いて皆、UCAV部隊に突入していった。

 周囲を守るLx-01を中心とした戦闘機型を片付け、ラウス中佐は中心の5機のLBX-01に後方から部下とともに接近する。巨体の下の爆弾倉が開いている。
 一刻も早く墜とさなければ。
 LBX-01をロックし、全機発射体勢に入る。だが、その刹那、上空から逆にロックされる。



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