06  イニア島南部  クルス・オクタゴーノ

 敵の第1波は、動きを阻害された。勝手に海面に墜落したり、味方を攻撃したりと完全にその統制も個の動きも乱れた。
 その頭脳が乱された機械たちに連合軍のF/A-47、急ごしらえだが対UCAV戦を想定した装備が施こされたF/A-31Cが襲い掛かった。



 ――敵機が次々墜とされていく。

 黒い機体はあの日の人間技を離れた機動も、ましてや積極的な攻撃もする事なく、友軍に次々に撃墜されていった。
 UCAV部隊に対して電子戦機による妨害は有効で、何の苦労もせずに敵機を易々と墜とせた。拍子抜けしてしまう。アランは愛機のF/A-47を駆り、既に4機の戦果を上げた。ウィリーも、そして第2空母航空団のパイロットたちならそれと同等かさらに多くの撃墜数を上げているだろう。
 それに対して、友軍の被害はほとんど皆無と言っていいほどであった。あの日とは立場が変わった戦いが繰り広げられた。



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