04  グライツ海上空

 ディナル=モア南部の各基地から出撃した部隊が合流する。機種は、緒戦で連合軍の航空兵力を圧倒的な強さで駆逐したLx-01が大半を占めた。

 ――こんな機械どもにまた頼る事になるのか……

 合流する編隊を愛機のRev-53Dから見ながら、ウォルカー・ラウス中佐は今日何度となくした嘆息をまた漏らす。



 画期的な高性能AIの開発とそれに伴うフィクトナー中将らによる空軍無人機化計画。その産物と共に飛ぶのはあまりいいものではない。
 いくらあの機械たちが頭が良くて、機体が強力でも戦うのは人だ。空で死闘を繰り広げるのも勿論だが、何よりあれをこの機械たちの手に委ねていいのか……
 確かに躊躇なく敵に向かって行くのは無人機なのかもしれない。しかし、前の戦争から、いやそれ以前からずっと戦ってきたのは人間なのだ。



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