05  エレラルド海

 ラウス中佐の「グラージュ」隊を始めとする有人機部隊が第2波として連合軍艦隊に攻撃を掛けた。

 ――無人機では、敵を突破出来ない。

 敵艦隊は、クルス・オクタゴーノの時と同じようなジャミングを何重にも周囲に展開させ、Lx-01の部隊の突破を阻んでいる。
 敵の防御のどこかに穴をあけなければならない。そして、主力の空母群を叩かなければ。
 Rev-53Dを主力とするの8個飛行隊が前衛と左翼の艦隊に襲い掛かった。

 第2波として飛来した敵のRev-53Dの部隊の狙いは、当然、妨害を行っている電子戦機及びクライムス級イージス艦。グレイスから死守が厳命され、有人機部隊同士の本格的な戦闘が開始された。

 襲って来た敵の中に見覚えのあるマークのRev-53Dがいて、アランは執拗にその機体の部隊を狙った。あのクルス・オクタゴーノ攻防戦で電子戦機を撃墜し、友軍を混乱させた部隊だ。
 ここを通す訳にはいかない。通してしまえば防備の一角が崩れ、全体も危うくなる。もう2度と守れなくて終わる事は許されない。

 ――中々、手強い。

 そうラウス少佐は感じていた。あのクルス・オクタゴーノで接敵したあの新型機の部隊は、以前の戦闘以上の抵抗を見せ、未だに前衛は突破できずにいた。だが、それでもラウス中佐は焦りを何1つ見せなかった。

 ――もうすぐだ。もうすぐ道が開くだろう。



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