05  グランツ海上空

 より厄介な事にLBX-01の数機が核弾頭を搭載しているという情報もあがってきた。中央から制御された完璧無比な戦闘力が聞いて呆れる。機械による戦力強化とそれに対する依存。その結果がこれ……

 指揮にあたっているフィクトナー中将は依然としてUCAV部隊の被害は最小限にと厳命しているが、そう悠長な事を言っていられる状況ではない。
 メサリナ・エルニアスは核保有を世界に示したのだ。そして、その微妙な均衡が出来上がった直後にこの事態。
 再び核による攻撃が加えられれば、今度は祖国が焼かれる事態になるかもしれない。何より、祖国はポース・オクタゴーノのような盾を持っていないのだ。一方的な報復になりうる。
 そして、それぞれの核によって戦線に一気に膠着したが、まだ戦争は終わっていない。戦時中にかこつけて連合軍が祖国に何をするのか。




 こいつらはどうあっても止めなくてはならない。



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