かつて、2019年。
 ディナル=モアでのウラン鉱発見に端を発する北の大国のラダン連邦と南のルージア連邦、バルディ各国の連合との戦争は世界に大きな傷跡を残した。

 ――バグラート戦争。

 戦いはかろうじて連合の勝利に終わり、ディナル=モアのバグラート地方の鉱山は国際保護区として、連合各国の管理下に置かれた。史上初めての核を使った戦争の後、世界は平和に協調し、復興に力を合わせた。 しかし、ディナル=モアのその新たなエネルギー源の分配問題を巡り、程なくルージア連邦とバルディナ各国との間で意見の相違が表れ始める。 相違はやがて対立へと……。
 先の大戦と同じようにウラン鉱問題が再び大国間の軋轢を生んでしまう。

 そして、現在。2037年。
 ディナル=モア南部、ティオニア地方のウラン鉱発見。
 それによるルージア連邦のフィルド共和国への圧力強化。対してバルディナ各国も同国への保護を強化する。

 復興と再生。
 傷跡が癒えてきていても、旧連合国間で新たに起きた軋轢は和らぐ事はなく、それは頂点に達しようとしていた。


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