05  エレラルド海洋上  空母「エクテシア」艦内

 F/A-47 RUFEAM。

 メサリナ海軍がルージア空軍のUCAV部隊に対抗するために開発した新型の艦上多用途戦術戦闘機である。高いステルス性を持ち、単機での格闘性能、火力を追求された機体で多数で襲い掛かってくる敵の無人機部隊と互角以上に渡りあう事が出来るという。

 格納庫には、緒戦から戦い続けいているシェイファー少佐の第316戦闘攻撃飛行隊「ジェラール隊」の機体の他にまだ真新しいF/A-47もあった。そして、そのF/A-31Cよりもひと回り大きい機体には、アラン達「エル―フェ隊」の守護の精のエンブレムが既に入っていた。
 少佐によると、消耗はどこの部隊でもあり、ここも例外ではないらしい。中でも優秀なパイロットは日々失われるという。



 そして、少佐は未だに困惑する2人にこう言った。
 「こいつで次は守りたいものを守ってみせろ。その力をお前たちに与えてやる」と。

 守れなかったものを守れる新しい翼が与えられた。これでもうあの日のように守れない事はないかもしれない。いや、もうあの日と同じ事をしてはいけないのだ。もう誰にも何も失わせない。
 そういう思いと共に2人は新しい翼をしばらくじっと眺めた。その新しい守るための翼を。



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