02  フィルド共和国  ティオニア郊外上空

 しかし、そのアラートは、 突然とすべて消えた。
 何が起こったのか、一瞬、わからなかった。レーダー上に少なかった味方の反応が一気に増える。そして、敵を堕とした味方機が2機、自機を追い越していっ た。



 自分の機体よりも一回り大きく、全く歯が立たなかった奴らを簡単に撃墜した機体。 それは、実戦配備されて間もないメサリナの最新鋭機だった。




 突如、数十機のその機が現れ、周りの空のそこらじゅうにいた無人機を次から次へと堕としていった。変則的な機動にも決して逃さず、数で劣っていることもものともせず、 奴らを圧倒していった。

 ――次元の違う戦いが繰り広げられている。

 自分たちは、その戦いを外側でただ見ているだけしか出来なかった。あまりに無力に飛んでいることしか出来なかった。



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